|| Die Wörter des Dankes zu Ihnen
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そいつがあんたの新しい相棒か。前進翼なんて物好きだな。
右翼を赤く染めてんのはゲンを担いだってことかよ。まあな、“赤い片翼”は今やあんたのパーソナルシンボルだもんな。別に咎めやしねえよ。それに赤ってのは戦意を高揚させる色だって聞いたぜ? いいじゃないか、堂々と飛べばいい。仲間の士気も揚がるだろうさ。


―何だよ。
そんな目で見るんじゃねえよ。
後悔してんのかよ、あんた。
俺から降りたことか? それとも、あの無口な1番機を裏切ったことか?


遅えよ。
後悔すんなら、とっくの昔だ。
腹ァ据えてここに来たんじゃなかったのか。


…ま、これ以上の文句は単なるグチになっちまうな。ここいらあたりで止めとくぜ、愛情の裏返しってことで勘弁してほしい。
これでも俺、あんたに感謝してるんだぜ。当のあんたはわからねえだろうけどよ。


右の主翼を吹っ飛ばされたとき。俺はてっきり、あんたがさっさと脱出するもんだと思ってた。あんたは傭兵だ、身体を失っちまったら稼ぐモンも稼げない。だから早いとこ俺に見切りをつけて、基地に戻ったら新しい機体に乗り換えるんだろうと思ってたんだ。俺たちは消耗品だからな。
だけど、あんたはそうしなかった。乗り換えるどころか、そもそも脱出さえしなかった。
そりゃあ、ただ気が動転してただけかもしれない。新しい機体を買う余裕がなかっただけかもしれない。
でもな。俺からすれば、ああ、こいつは信ずるに値すると感じたんだよ。俺を基地まで持たそうと必死になってるあんたを見てたらな、たまらなくなった。
俺のためにそこまでするのかと。
傭兵のあんたが。
ならば、俺はあんたを守る。
戦闘機として、最期までパイロットの命を守ると。
俺の命が尽きたとしても、あんたを無事に地上に降ろすまでは落ちてたまるか、ってな。
そう思ったんだよ。


要するにな。俺の命を懸けるのはあんただと、そのとき決めたのさ。
だから、俺はあんたの命令に全力で応える。たとえ地獄の果てだろうとついていくつもりだ。
そうして、俺は今まであんたと共に飛んできたんだ。




飼い犬が飼い主に似るのと同じでな、俺たちもパイロットに似るんだよ。
あんたの相棒が駆ってる青いヤツもな、主人にそっくりだ。あんなにストイックで冷たい野郎、他に見たことがねえ。あいつ、主人の命令なら身体が粉々になってでも忠実に、確実に遂行するぜ。
あんたの相棒がどうしてヘッドオンにこだわるのかは知らねえけどよ。敵機と刺し違えてでも、ってスタンスで主人が飛んでるんだとしたら、あいつはまさに本望なんだろうな。
そういう奴らだ。


きっと、あいつらはここに来る。魔法使いの野郎が出て行ったって相手にならねえよ、全員落とされるのがオチだ。あいつらは命を捨てる覚悟で来るはずだ、だったらあんな渓谷なんざオモチャみたいなもんだぜ。迎撃に行く奴らも、地上兵も退避させた方がいいと思うんだがな。命を無駄に捨てるのと同じだ。
あんたが一番よくわかってるだろうに、“鬼神”の強さは。


…俺から見ても、本当に強いぜ、あいつら。
俺は正直、勝てる確証がない。あんたと一緒だとしてもだ。


でも、あんたは行くんだろ。そのつもりでここに来たんだろ。
あいつらが守る“世界”と対峙するために。


俺よりも性能の良いそいつを選んだあんたの判断は正しい。俺じゃ、あいつらに勝てない。悔しいけどな、仕方ねえことだ。
負けるとわかっていて出て行くようなタマじゃないしな、あんた。戦ってのは万全の準備で望むもんさ。
行くんなら、勝って戻ってこいよな。このさいだ、俺の想いも一緒に持って行ってくれよ。俺は最期まで、あんたと一緒に飛びたかったんだぜ? ああ、悔しくてたまらねえ、本当に。




―じゃあな。


楽しかったぜ、妖精。
あんたが俺のパイロットでよかった。
負けんなよ。
あいつらが相手だとしてもな。




あばよ、相棒。
























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M12の後のピクシーイーグルがどうなったのか激しく気になった末の妄想↑
リペイントして誰かに譲ったのかな…

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